オーディオインターフェイスの音質の違いと比較｜音楽鑑賞や配信におすすめ！

オーディオインターフェイスを選ぶうえで最も重要なポイントは音質です。音に関わるオーディオ製品は音質を正しく把握するのが失敗しない製品選びにつながります。オーディオインターフェイスに求められる音質は利用シーンやユーザーの好みによってさまざまです。

また、オーディオインターフェースは各メーカーからさまざまな商品が出ています。「どのような基準で音質を見極めればいいのか分からない」と悩んでいる方もいるはずです。商品のレビューを見てもさまざまな意見があり迷ってしまいます。

ここでは、オーディオインターフェイスの基本的な役割や利用シーンを紹介したうえで音質を判断するポイントと音質以外で比較するポイントも紹介します。購入を検討中の方はぜひ参考にしてください。

オーディオインターフェースの役割がどのようなものなのか分からない方も多いので、ここではオーディオインターフェイスの働きと主な利用シーンを紹介します。

オーディオインターフェイスの役割を一言で表すと、音をPCやスマートフォンに取り込むための装置です。音を取り込むだけなら、PCやスマホに内蔵されたマイクで十分と思うかもしれません。しかし、PCやスマホのマイクは性能が低く周囲のノイズが混ざる・音がこもる・高音域が音割れする等の問題があります。

綺麗な音をPCに入力するためには外部マイクの使用が必要で、外部マイクとPCを接続するため必要なのがオーディオインターフェイスです。録音や再生の際に、オーディオインターフェイスを使用すれば、音質向上も見込めます。

オーディオインターフェイスは主としてDTMなどを使用した楽曲制作・歌ってみたなどの宅録・YouTubeなどの動画作成・ライブ配信などクリアな音質が求められるシーンで利用されます。また、最近では音質重視で音楽鑑賞に使用する方や、オンライン会議などのビジネスシーンで利用する方も増えています。

ではオーディオインターフェイスの音質の違いはどこで判断して比較すればいいのかわからない方もいますよね。ここでは音質に関する2つのスペック値と、音質に関するレビューでよく使われる用語を紹介します。

音質といっても「その音を聞いてどのような印象を受けるか」の問題は、人の好みや感覚による部分が大きいです。客観的な指標としてオーディオ機器の性能を比較するのに役立つのがスペック数値です。

ここでは判断材料になるスペック数値として、サンプリングレート・bitレートの2つを紹介します。

サンプリングレートは、どれだけ滑らかに音を収録できるかを示すスペック数値です。単位はHz（ヘルツ）で、1秒あたりの音の情報を何万分割して収録するかを表しています。

一般的なCDは44.1kHZなので、1秒あたりの音を44,100回に分割して収録しています。サンプリングレートが高いほど収録される音が滑らか、つまり音質がいいです。

ビットレートは、どれだけ細かい音の変化を反映できるかを示すスペック数値です。単位はbit（ビット）で、音の容量の大きさを表しています。音ひとつひとつの容量が大きいほど、音量や音の高さの変化などの情報を多く反映できます。

オーディオインターフェイスのビットレートは16bitや24bitが主流ですが、高価な製品だと32bitに対応した製品もあります。bitレートが高いほど細かい音の変化を表現できる、つまり音質がいいです。

オーディオ機器に関する商品レビューなどを見ると、サンプリングレートやbitレートといった定量的なレビューだけでなく「音が柔らかい」「空間再現度が高い」などの定性的な表現も見受けられます。音質について理解を深めるために音の硬さと空間再現度・解像度が何を意味するのかを抑えておきましょう。

「音が硬い」「音が柔らかい」とは、前述のサンプリングレートについてより噛み砕いて表現したものです。一般的に音が「硬い」と言われる場合は、ひとつひとつの音が粒立って分離して聞こえるようなイメージ、つまりサンプリングレートが高い音をイメージするといいです。

一方で音が「柔らかい」と評されるケースでは、音が互いに滑らかに混ざり合っているイメージ、つまりサンプリングレートが低い音をイメージします。一般的に「硬い」音は粗を探しやすいため作曲者向け、「柔らかい」音は滑らかに聞こえるため鑑賞者向けと言われますが好みによる部分が大きいです。

音の「空間再現度」や「解像度」などの用語は、前述のbitレートの高さに関するフランクな表現と言えます。「音の空間再現度／解像度が高い」と言われる場合は、まるでライブ会場にいるかのように細かいリアルな音が眼前に広がるイメージ、つまりビットレートが高い音です。

音楽鑑賞用のオーディオ機器を選ぶうえでは「音の空間解像度／解像度が高い」製品を選ぶのが重要と言えます。

宅録目的でオーディオインターフェイスの購入を考えている方は、製品の付加機能にも注目しましょう。オーディオインターフェイスには、1つの音を入力するだけで複数名が演奏しているように聞こえるユニゾン機能・サンプリングする音のデータに基づいて音の位置や強さを調整するモデリング機能などが付いているものがあります。また、製品によってはDAWソフトが付いてくるものもあるので、必要に応じて付加機能を選びましょう。

オーディオインターフェイスは1万円前後から数十万円まで、非常に幅広い価格帯で製品が存在します。音質にはこだわりたい一方で、できるだけ費用を抑えたいと考えるのは当然です。

理想の価格帯は求める機能や利用シーンによりますが、本格的な音楽制作を目的とする場合は安すぎる製品はおすすめできません。最近は安価でも比較的性能が高い製品も増えているとはいえ、目安としてオーディオインターフェイスの性能や音質は値段と比例すると考えていいです。

入手しようとしているオーディオインターフェイスが、使用しているPCとの連携が安定しているかも考慮する必要があります。互いの連携の相性が悪いと、サンプリングレート等の設定変更が反映されないなどのトラブルの原因になります。

PC連携の安定性は、購入前に確認するのが難しいです。オーディオ機器を取り扱っている実店舗に足を運んで機材を試用させてもらうのをおすすめします。

忘れてはならないのが、オーディオインターフェイスの出入力端子の数と種類です。ひとりだけで使用する、ボーカルや楽器をそれぞれ個別に録音する場合は入力端子は1つで済みますが、複数の楽器や外部マイクを同時に接続するのであればそれだけ入力端子が必要になります。

入力端子にはギターシールドなどのTS /TRSフォン・ダイナミックマイクのXRLフォン・出力端子にはRCAやUSBなどさまざまな種類があります。自分が使用しているガジェットの端子に対応したオーディオインターフェイスを選びましょう。

上述の通り、オーディオ機器の音質はスペック数値だけで比較するのは難しく、実際の聴き心地は好みに大きく左右されます。それだけでなく、PCと接続して安定して起動するか等は商品の情報を見るだけでは確かめられません。本当に改善したかどうかを判断するためには、最終的には実際に自分の耳で聞く作業が必要になります。

ベストなオーディオインターフェイスを見極めるためには、製品を取り扱っている実店舗に足を運ぶのがおすすめです。ショップのスタッフに頼めば機材を試用させてもらえる場合が多いので、使用感に基づいてオーディオインターフェイスを選ぶのをおすすめします。

従来、オーディオンターフェイスは宅録など「音楽を録音する」目的で使用されてきました。しかし最近では、より高音質で音楽を聴く目的でオーディオインターフェイスを手に入れる人も増えています。音楽鑑賞の用途であれば、安いエントリータイプの製品でも十分音質が変わるので音楽をより楽しめます。

ですが、音源がMP3やAACなどの圧縮音源であればオーディオインターフェースを使用してもそれほど音質は変わらないので、高音質で楽しみたいのであればCDかWAVの音源を取り込みましょう。

利用シーンや予算にもよりますが、オーディオインターフェイスを選ぶうえで音質に注目するのは重要です。自分の耳で実際に音質を確かめるのが失敗しないオーディオインターフェイス選びにつながります。本記事を参考に、自分に合ったオーディオインターフェイスを見つけましょう。