ギターの真空管アンプおすすめ14選｜小型チューブアンプや使い方も！

ギタリストであれば、いつでも自分らしい音が出せるように自分専用のギターアンプが欲しいですよね。しかし、安価なトランジスタアンプでは「音が硬い」「きれいに歪まない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。そんなときは真空管アンプ（チューブアンプ）がおすすめです。

真空管アンプであれば音がたっぷり歪み、深みのある暖かなサウンドを出力します。最近ではライブハウス・スタジオにも楽に持ち運べる超小型真空管アンプが人気です。しかし、音質・価格・性能などはさまざまでどれを選べばいいか悩んでしまいますよね。

この記事では、真空管アンプを選ぶうえでのポイントを詳しくご紹介。さらに小型チューブアンプやコンボアンプなどおすすめ商品や使い方を紹介しているので、購入を迷われてる方はぜひ参考にしてみてください。

ギターアンプには「真空管アンプ」と「トランジスタアンプ」の大きく2種類があります。それぞれ仕組みやサウンド傾向に大きな違いがあるので、特徴をよく知っておきましょう。

「真空管アンプ」は、音の増幅に真空管を利用しています。プリアンプ部で原音を増幅し、そこで作られた音をパワーアンプ部でさらに増幅してスピーカーに送るという仕組みです。サウンド傾向は、深みがあり暖かくて柔らかいという特徴を持っています。

また、たっぷりと歪むので初心者でも音作りしやすく、簡単にかっこいい歪みサウンドを作ることが可能です。プロギタリストもメインギターアンプとして真空管アンプを採用している方が数多くいます。歪んだ音をメインに使用するロック系ギタリストにおすすめです。

現在では小型の真空管アンプヘッドが増えてきており、それらはライブハウスやスタジオへの持ち込みが容易です。なお、デメリットとしては真空管には寿命があり、劣化すると音が小さくなるのでメンテナンスや交換が必要になります。

信号の増幅にトランジスタという電子部品を利用したギターアンプが「トランジスタアンプ」です。別名ソリッドステートとも呼ばれ、真空管アンプのようなメンテナンスが必要なく、故障するまで半永久的に使用できます。

音の立ち上がりが速く、冷たくて硬いサウンドが特徴です。美しいクリーントーンを響かせるモデルが多く、基本的にバラードでの使用やジャズギタリストに好まれる傾向にあります。一方で歪みに弱く、アンプ単体で歪ませると割れたような音になるのがデメリットです。

そのため、トランジスタアンプで歪ませるならエフェクターを利用するのが一般的ですが、トランジスタで音を増幅するアンプの中には、デジタルアンプやモデリングアンプと呼ばれるものがあり、これらは上質な歪みを含む多彩な音作りが可能です。

真空管アンプは「スタックアンプ」と「コンボアンプ」の2種類に分かれています。使い方などが異なるので、用途に合わせて選びましょう。

真空管アンプヘッドとスピーカー部分であるキャビネットが別々になっているのが「スタックアンプ」です。セパレートタイプとも呼ばれ、2つ合わせると非常に大型で音の出力も大きい傾向にあります。

スタックアンプを使用する方で多いのが、アンプヘッド部分だけ購入してキャビネットはライブハウスやスタジオの据え置きのものを使用するという方法です。キャビネットが違うので完璧に同じ音が作れるわけではありませんが、持ち運びやすくて自分好みの音が作れます。

見た目・サウンドともに迫力がありますが、アンプヘッドとキャビネットを揃えると非常に場所を取り持ち運ぶには不便です。しかし、最近ではアンプヘッドのみであれば非常にコンパクト・軽量なモデルがリリースされています。

アンプヘッドとキャビネットが一体となったタイプが「コンボアンプ」です。一体型のため単体で音を出せて、非常に省スペースに設置できます。そのため自宅での練習はもちろん、スタジオやライブハウスなどに持ち込んで常に同じ音で演奏が可能です。

しかし、本体サイズがそのまま出力に影響する傾向にあるので、それなりの音量を出力するのであれば大型サイズが必要になります。また、サイズはコンパクトですが重量は大きいものが多いので注意しましょう。

ギターアンプは使用場所・用途に適した出力ワット数のモデルを選ぶ必要があります。特に真空管アンプの場合、音量が出やすいので自宅練習用の場合は要注意です。自宅練習用として使用するなら、出力10W未満のモデルを選んでください。

スタジオでのバンド練習やライブで使用するにはパワー不足ですが、自宅で練習するなら丁度いい音量と言えます。小・中規模のライブやスタジオ練習には30W程度のものがおすすめです。

さらに大規模なホールでのライブやロック・メタルなどの大爆音であれば、100W程度が適しています。なおこれらはあくまで目安なので、必ずしもこの限りではありません。特にライブではPAがモニターで音量をコントロールできるので、30W以上あれば問題ありません。

音作りのしやすさを考慮してコントロール部分をチェックしましょう。基本的なボリューム・ゲインの他、Bass（低域）・Middle（中域）・Treble（高域）などのEQなども確認しておいた方がいいです。

モデルによってはResonance（超低域）・Presence（超高域）などが搭載されたものがあります。さらにツマミだけでなくスライダー形式のグライコと呼ばれるEQが搭載されたものもあり、それらはより細かい音作りが可能です。

また、リバーブなどのエフェクトがあると音作りの幅がさらに広がります。しかし、コントロール部分が充実しているものが必ずしもいいというわけではありません。初心者であれば機能を絞ったシンプルなコントロールの方が音作りがしやすい場合があります。

真空管アンプの中には、1台でクリーン・クランチ・ハイゲインなど複数の音色を設定できるモデルがあります。さらにフットスイッチに対応していれば、リアルタイムで音色の切り替えが可能です。

そういったモデルはライブなどで重宝し、エフェクターを使用せずにアンプだけでさまざまな音色を作れます。

ギターと接続するインプットは必ず搭載されていますが、その他の端子はアンプによってさまざまです。用途に合わせて真空管アンプの入出力をチェックしておきましょう。夜中に自宅練習する場合は、ヘッドホン端子が搭載されているアンプがおすすめです。

また、リバーブ・ディレイなどの空間系エフェクターを使用する方は、きれいで自然な効果が得られるセンド・リターン（エフェクトループ）端子が必要になります。ギターのライン信号をそのまま出力したい方は、ダイレクトアウトが搭載されているか確認しましょう。

ギタリストは、ギターやエフェクターボードなど多くの機材が必要です。そのため移動の際に少しでも負担を軽減できるように、真空管アンプのサイズ・重量を必ず確認しておきましょう。現在では、非常にコンパクト・軽量な真空管アンプヘッドが販売されています。

コンパクトな分ツマミ数など機能面で劣りますが、持ち運びを重視するならおすすめです。また、コンパクトながら十分な出力を備えているモデルが多く、ライブでも活躍が期待できます。自宅に収納・設置する場合は、設置スペースに合ったサイズを選びましょう。

少しでも安く買いたいという方におすすめなのがヤフオクやメルカリで中古品を購入する方法です。「ネットショッピングは不安」「直接商品を見ながら選びたい」という方はハードオフや楽器専門店での購入も可能です。

しかし、中古品は新品に比べて壊れやすく扱いには細心の注意が必要です。購入後の使用に不安がある場合は、保証期間などがつくハードオフや楽器専門店での購入をおすすめします。

真空管アンプの代名詞とも言えるイギリスのアンプメーカー「マーシャル（Marshall）」。数多くのスタジオ・ライブハウスで常設されており、現在まで数多くのモデルが販売されています。パリっとしたドライな歪みサウンドが好みの方におすすめです。

ドイツのアンプブランド「ヒュースアンドケトナー（Hughes & Kettner）」。ブルーに光るフロントパネルのアンプがステージ映えし、見た目にも高い人気があります。サウンドも一級品で、クリーン・クランチ・ドンシャリから太めのサウンドまで万能なメーカーです。

エレキギターの名機、ストラトキャスターで有名なアメリカの楽器メーカー「フェンダー（Fender）」。コンボタイプの真空管アンプを手掛け、中でも同メーカーの「Twin Reverb」は真空管アンプにおけるクリーントーンの名機と言われています。

暖かなクリーンサウンドが好きな方におすすめのメーカーです。

レトロなデザインが目を引くイギリスの楽器メーカー「VOX（ヴォックス）」。ボックスアンプの定番モデルのほか、現在ではコンパクトな真空管アンプヘッドが注目されています。真空管らしい暖かでマイルドなサウンドが好みの方におすすめです。

アメリカのアンプメーカー「メサブギー（Mesa Boogie）」。メタリックな外観にふさわしく、サウンドもヘヴィメタル・ハードロックにぴったりな強烈な歪みを実現します。ギャリギャリ歪ませたロックなサウンドが好みの方におすすめです。

真空管ギターアンプにはSTANDBYとPOWERの2つのスイッチが搭載されているものが多いです。そのため初心者は使い方がよくわからない方も多いと思います。ここでは真空管アンプの正しい使い方を紹介するので参考にしてください。

1. ギターとアンプをシールドを使って接続する
2. アンプのツマミがすべて0になっているか確認する
3. パワースイッチを入れる
4. 真空管が暖まるまでしばらく（2~3分）待つ
5. スタンバイスイッチを入れる
6. ツマミを操作して音を出す

この順番を守って電源を入れましょう。スイッチの入れ方が正しくないと、最悪の場合アンプが故障してしまう可能性があります。また、電源を切るときは基本的にこの流れと逆の順番です。

真空管が劣化するとノイズが出たり、音が小さくなって元気のない音になったりしてしまいます。そのため、アンプ本来の音を発揮させるためには、定期的な真空管の交換が必要です。交換時期は利用状況によって大きく差が出ますが、おおよそ2~3年程度と考えましょう。

しかし、利用頻度が少ない場合などは10年以上に渡って使用できる場合もあります。また、真空管は基本的にプリ管・パワー管の2種類が使われており、パワー管の方が消耗が激しいです。なお真空管の交換時期を判断するためには、測定器を使用します。

リペアーショップは過去の真空管測定データを残していることがあるので、メンテナンスを希望する際は同じリペアーショップに依頼するのがおすすめです。

真空管ギターアンプは自作可能です。1から自分で部品を集めて作る方法もありますが、始めて作る方やできれば簡単に作りたい方には「ギターアンプキット」も売っています。

部品を揃える場合でも、キットを買う場合でも数万円ほどかかります。ギターアンプキットは、初心者にも簡単に作れるように実体配線図などがついていておすすめです。

ここまで真空管ギターアンプの選び方とおすすめ商品を紹介してきましたが、いかがでしたか。真空管ギターアンプはトランジスタアンプにはない、柔らかく暖かいサウンドを生み出します。使い方や選び方をしっかり押さえて、自分にぴったりの真空管ギターアンプを見つけましょう。